Ship&Coが主催したE-Commerce Connect 2025イベントにて、2社のShopifyエキスパート――BON LoyaltyとWeblife――が登壇し、日本のブランドがどのように国内市場を超えて海外展開し、世界中で永続的な顧客関係を構築できるかについて、実践的なインサイトを共有しました。

イベント主催者として Ship&Coは 、Shopifyと主要な国内外の配送業者をシームレスに接続する強力な配送自動化プラットフォームを通じて、日本のマーチャントのグローバル販売を引き続き強力にサポートしています。彼らの使命は常に明確です。それは、グローバル配送を簡単にして、日本の製品が世界中の顧客に届くようにすることです。

一方、 Weblifeは、長年のShopify Plusパートナーであり、日本を代表するEコマースエージェンシーの一つとして、オンラインストア開発から海外展開に至るまで、あらゆるデジタル変革の段階で国内ブランドを支援してきました。ローカライゼーションとShopify最適化における同社の深い経験は、意欲的な日本の販売業者にとって信頼できる成長パートナーとなっています。

Ship&CoとWeblifeと共に、私たちは一つの使命を共有しています。それは、日本のマーチャントが国境を越えて成長するのを容易にすることです。私たちはそれぞれ、その道のりの異なる側面に焦点を当てています。Ship&Coは、国際配送の障壁を取り除きます。Weblifeは、デジタルトランスフォーメーションとグローバルストア戦略を通じてマーチャントを導きます。そして、私たちBON Loyaltyは、ブランドが新規顧客をリピーターに変え、長く続く顧客関係を築くのを支援します。

私たちの共通の目標はシンプルです。それは、日本のEコマースブランドが、世界の舞台で自信を持って競争し、成功するために必要なツール、知識、サポートを提供することです。

この記事は、Ship&Co E-Commerce Connect 2025のセミナーセッションを基にしたものです。このセッションでは、BON Loyaltyの共同創設者であるLucy Nguyen氏と、WEBLIFEのCEOである山岡 義和氏が、海外展開を行う日本のShopifyマーチャント向けの実践的なロードマップを共有しました。

セミナー終了後すぐに実践できるよう、講演内容を、ざっと読めるステップバイステップのガイドにまとめ直しました。 

要約：このガイドで学べること

1. 1. 今、日本の中小企業（SME）が海外展開する絶好の機会である理由

1. 1. 一般的な障壁（フリクションポイント）と、それを回避するための設計方法

1. 1. ステップバイステップで実践できる「5つの柱」のフレームワーク

1. 1. 第一の柱：市場調査とターゲティング

1. 1. 第二の柱：製品、パッケージング、ブランドのローカライゼーション

1. 1. 第三の柱：マーケティングとオンラインプレゼンスのローカライズ

1. 1. 第四の柱：パートナーシップと顧客維持

1. 1. 第五の柱：物流、決済、コンプライアンス

1. 1. 実行を高速化するためのAIアクセラレータ

1. 1. FAQと便利なツール

「良いアイデア」を、現実のグローバルプランに 

あなたは日本でプロダクトマーケットフィット（PMF）を証明しました。レビューの評判も上々です。あなたの「ものづくり」の精神は、細部に至るまで表れています。あなたのストアにはすでに海外からのトラフィックが少しずつ流入し始めており、パートナーからは「私たちの市場ではいつ購入できるようになりますか？」と尋ねられ続けている状況です。

グローバル展開は、まだ混沌としている（厄介だ）と感じられるでしょう。まずどの国から始めるか？どこまでローカライゼーションを行えば十分なのか？返品、税金、そして深夜シフトを必要としないカスタマーサポートについてはどうでしょうか？

このガイドは、そうした疑問を明確な計画に変えるものです。まず、可能性の高い2つの市場を選び、迅速に需要を検証し、実際にコンバージョンを促進する要素に絞ってローカライズを行います。次に、アフィリエイト、紹介、ロイヤルティといった信頼構築プログラムを立ち上げ、顧客維持率を複利的に高めていきます。そして最後に、顧客にとって透明性があり、チームにとっても無理のない物流・決済モデルを選択します。

期待できる、すぐに得られる成果：

• • マーケットフィット： 本格展開する前に、簡易的なテストを実施して、優先すべき2つの市場を決定します。

• • ローカライゼーション： 製品、パッケージング、ストーリーを現地の規範に合わせる（作り込みすぎない）。

• • マーケティング： 各市場の実際の購買方法に合わせて、チャネルとクリエイティブを調整します。

• • リテンション（顧客維持）： 勢いが一過性のものにならないよう、アフィリエイトとロイヤルティを早期に導入します。

• • オペレーション： 配送条件（DDP/DDU）を明確にし、誠実な価格を表示し、事務処理を自動化します。

まず、なぜ今が絶好のタイミングなのか、そして日本のブランドにとって何がそれを実現可能にしているのか、ということから始めましょう。

今、日本のブランドがグローバル展開すべき理由

日本のブランドには、今、特有の追い風が吹いています。かつては（以前は）大企業のみに可能だった戦略が、今や中小企業（SME）にとっても現実的なものとなりました。Shopify、成熟した決済手段、そして実績のある越境ワークフローといった「レール」が敷かれているからです。要するに、インフラのギャップは埋まり、成功事例は増え続けているのです。 

日本ブランドが持つ、海外展開（国際化）における生来の（固有の）強み

• • 世界レベルの国内市場基準 日本の要求水準の高い消費者によって磨かれた製品は、海外でも高く評価される傾向があります。皆さんは、海外でも共感を呼ぶ高い基準点からスタートしているのです。

• • 「ものづくり」と「おもてなし」の精神。職人技ときめ細やかなサービスは、信頼性や丁寧さが重要となるカテゴリーにおいて、あなたを差別化する要因となります。

• • 顧客からの信頼。特にShopifyのようなプラットフォームを利用する海外の買い物客は、「Made in Japan（日本製）」の背後にある一貫性と継続的な改善の精神をすでに高く評価しています。

なぜ2025年が、日本のブランドがグローバル展開するのに最適な時期なのでしょうか？

• • 中小企業向けインフラ 高度な国内Eコマースと決済システムにより、日本の中小企業は、大企業向けの予算がなくても、グローバル基準のストアを構築できます。

• • 実績のあるプレイブック 日本での成功モデルを適応させることを意味する「水平展開」は、海外で同様のユースケースに参入する際の当てずっぽう（憶測）を減らします。

これが意味すること

ビジネスを根本から作り直す（あるいは「再発明する」）必要はありません。優先順位をつけた市場の選定、的を絞ったローカライゼーション、そして成果を積み上げるための信頼構築に集中しさえすればよいのです。 

難しく感じる理由（と、その解決策）

グローバル展開には多くの複雑な要素が絡み合っており、それらが積み重なっていきます。多くのチームが様々な理由で行き詰まりを感じていますが、私たちはその主な理由を4つ特定しました。 

1. 1. 「『まず、どの国から？』 候補リストとテスト計画がなければ、調査は迷走し、予算は分散して手薄になってしまいます。明確なフレームワークは、場当たり的な賭けに勝ります。」

1. 1. ローカライゼーションの過不足。翻訳が不十分すぎたり、逆に（サイトや製品を）作り込みすぎたりすることは、よくあることです。成功の鍵は、コンバージョンを促進する、製品、パッケージング、ブランドへの的を絞った変更にあります。

1. 1. 常時対応のマーケティングとサポート。新たなプラットフォームや言語への対応は、負担増につながります。（例えば）問い合わせ（チケット）対応のために誰かが深夜勤務をする必要がないような、費用対効果が高く、かつ無理のない（人道的な）体制が必要です。

1. 1. オペレーションの複雑さ（配送、税金、決済）。DDP対DDU、返品、VAT/GST、そして現地のウォレット（決済手段）は、管理されていなければ、顧客体験を台無しにする可能性があります。

しかし、私たちがお手伝いします。何千ものShopifyブランド、特に日本のブランドと協業してきた経験から、私たちは、これらの課題を、明確で再現可能な、前進への道筋へと変える、海外展開のための「5つの柱」からなるフレームワークをまとめ上げました。

日本ブランドの海外展開（国際化）のための「5つの柱」フレームワーク

これを、あなたのグローバルローンチ（展開）のチェックリストだと考えてください。左から右へと順番に進め、各柱（ピラー）はシンプルに保ち、そのステージのチェックポイントをクリアした場合にのみ、次へ進んでください。

第一の柱：市場調査とターゲティング

第二の柱：製品、パッケージング、ブランドのローカライゼーション

第三の柱：マーケティングとオンラインプレゼンスのローカライズ

第四の柱：パートナーシップと顧客維持

第五の柱：物流、決済、コンプライアンス

第一の柱：市場調査とターゲティング

憶測ではなく、証拠（エビデンス）に基づいて、最初の2つの市場を選びます。作業は2つのフェーズ（段階）で進めます。(1) 候補リストを作成し、優先順位をつける。(2) 行動に移すことのできる、現地の需要シグナルを掘り下げる。

フェーズ1：市場の選定と優先順位付け

戦略A：東南アジアファースト

モバイルウォレットが広く普及し、中間層が成長しており、日本との文化的親和性があるタイ、ベトナム、マレーシア、フィリピンをターゲットにします。 

まずはShopify アナリティクスで、すでにオーガニックトラフィックを獲得している国や地域を確認し、その中で最もパフォーマンスの高い上位2つに注力します。

戦略B：「デジタルファースト」成長市場

Eコマース普及率が15～20%で、一人当たりGDPが上昇している国をターゲットにしますが、本格的に展開する前には必ず検証を行ってください。例えば、潜在的な可能性がある産業分野を持つ国としては、インド（美容・ライフスタイル）、ブラジル（ファッション）、メキシコ（ライフスタイル）などが挙げられます。コンバージョンと購入意図を測定するために、的を絞った30日間のShopifyテストキャンペーンを実施すべきです。

2つの候補市場のリストと、2週間の小規模テスト計画、そして成功基準（CTR/CVR目標、CPAのガードレール、および検証項目）を策定した後、

注：ここでの「戦略的市場参入」とは、地域的な優位性と、迅速に検証可能なことに基づいて優先順位を付けることを意味します。一度に多くの地域に支出（費用）を分散させないでください。

フェーズ2：消費者調査とローカルインサイト

戦略C：ソーシャルリスニング・インテリジェンス
Use Google Trends, TikTok Creative Center現地のフォーラムを活用します。現地の言語で「[カテゴリー] + 問題（または悩み）」と検索し、ペイン（悩み・不B満）やジョブ理論（片付けるべき用事）を明らかにします。可能であれば、 現地の大学生を1～2名、 パートタイムのカルチャーコンサルタントとして雇い、自分たちの仮説が妥当かどうかをチェックしてもらいます。

戦略D：競合ギャップ分析
With SimilarWebを使って、現地の競合上位3社のトラフィックソースを分析します。 検索ボリュームは高いものの、満足度やレビューのスコアが低い製品を探し出し、その後、日本の強み（品質、革新性、サービスの信頼性）に焦点を当てた比較コンテンツを計画します。

メモに記録すべきこと

• • （プラットフォーム別の）現地語での主な問い合わせと苦情

• • 競合の提供価値 vs. ギャップ（表）

• • 最初にテストするクリエイティブの切り口 

• • 広告で反証を試みる仮説

第二の柱：製品、パッケージング、ブランドのローカライゼーション

コンバージョンを促進するものだけに絞ってローカライズします。まずは文化的理解から始め、次に製品・パッケージ・ブランドを（現地に）適応させ、最後に迅速な検証ループで締めくくります。

フェーズ1：文化的な深掘り（何かを変更する前に学ぶべきこと）

ターゲット市場ごとに、以下の項目を網羅した1ページの簡潔な概要（ブリーフ）を作成します：価値観と信念、コミュニケーションスタイル、美的感覚とシンボル、社会規範とエチケット、そしてカスタマージャーニー。これにより、買い物客が実際に注目する点に絞って変更（ローカライズ）を行うことができます。

フェーズ2：製品とパッケージングの適応（最も重要なことに絞って変更する）

2.1 製品のカスタマイズ
原材料・味、 サイズ・分量、, size & portioning, UI/UX・機能性、〜や、 耐久性・気候などを、 現地の規範に合わせて微調整します。 Avis：商品オプション＆バリアント のようなアプリを活用し、オペレーションを破綻させることなく、追加されたバリエーションを管理します。

例： 食品や飲料のサイズは異なります。例えば、日本のソフトドリンクは約500mlですが、北米では1〜2Lが主流です。ハンバーガーのサイズも北米の方が大きい傾向にあります。単に（単位を）「換算」するのではなく、提供内容を現地に適したサイズに調整（「ライトサイジング」）してください。

2.2 パッケージデザインと素材
買い物客の期待や、 （棚のサイズ、サステナビリティに関する表示といった） 小売上の制約に合わせて、パッケージのコピー、訴求内容、素材、フォーマットを更新します。

2.3 ブランド表現
「本質的に日本的なもの」（ものづくりの職人技、きめ細やかな配慮）と、市場ごとに柔軟に変えるべきもの（色、スローガンの語調、裏付けとなるビジュアル）を明確に区別します。これらは、グローバルにおいて強力な差別化要因となるため、意図的に活用しましょう。

フェーズ3：プロダクトマーケットフィット（PMF）の検証（迅速に証明する）

本格的な展開の前に、簡易的な（軽量な）テストサイクルを実行します。

• • 戦略E：ローカライズされた製品テスト.
    （現地に） 適応させたアイテムを3～5点 （例：新しいサイズ、カラー展開、パッケージなど）発売します。 成功目標：CVR 20%以上、平均評価★4.5以上、リピート購入率60%以上。

• • 戦略F：マイクロインフルエンサー・プログラム
    美容・ ライフスタイル分野で、フォロワー数1万人から10万人のクリエイターと提携します。 商品のギフティング（無償提供）に加えて、 10〜15%の成果報酬という仕組みを構築します。単なるリーチ数よりも、コンテンツの切り口として考えられる一つは、「日本（版） vs. 現地（版）」の比較リール動画や短いレビューを作成し、何が変わり、 なぜ現地（こちら）の方が良いのかを説明するものです。

国内向けSKUをそのまま輸出するのではなく、「Hada Labo」は、欧米／海外市場向けに「Tokyo」サブブランドを立ち上げ、ブランディング、成分、パッケージングを変更しました。現在では、米国、ポーランド、中東、オーストラリアなどで展開されています。このような動きは、国内市場（ホームマーケット）での期待値とターゲット市場の規範との間に大きなギャップがある場合に賢明な戦略です。

第三の柱：マーケティングとオンラインプレゼンスのローカライズ

各市場で、あなたのストーリーを明確に伝えましょう。単なる翻訳にとどまらず、言語、ビジュアル、サイト構造、検索、チャネルを（現地向けに）調整し、現地の人々が瞬時に「ピンとくる」ようにしましょう。

ステップ1：言葉を超える翻訳

• • 単に（その国の）言語を使うだけでなく、（相手に合わせた）丁寧さ、文の長さ、慣用句といった、現地の「言葉遣い」で書いてください。

• • （現地で）共感を呼ぶストーリー（例：家族第一、コミュニティ精神）を反映させ、裏付けとなる要素（レビュー、認証、原産地）を早い段階で提示します。

ランディングページが、現地のレビュー担当者にとって自然に読め、見出しやマイクロコピーが（単なる直訳ではなく）分かりやすさと説得力のために書き直されていれば、それは上手くいっている証拠です。

ステップ2：ビジュアル（視覚）および非言語的ローカライゼーション

• • Use local models and settings so shoppers see themselves in your brand.

• • 写真の密度、構図、アイコノグラフィーを、現地の規範に調整します。

ステップ3：ウェブサイトのローカライゼーション

• • コンテンツ、画像、ユーザーフローは、単に翻訳するのではなく、完全に（現地に）適応させてください。

• • 信頼性やSEOの観点からccTLD（国別コードトップレベルドメイン）が有益な市場では、.co.ukや.deといった現地ドメインの使用を検討してください。

ステップ4：市場別のSEO/SEM

• • 現地語でキーワード調査を行い、必要に応じて（BaiduやYandexなどの）ローカル検索エンジン向けに最適化してください。

ステップ5：プラットフォームの適合性（ソーシャルメディアとメッセージング）

• • （WeChat、KakaoTalk、WhatsAppなど）現地で主流のプラットフォームを優先し、それぞれに合わせてフォーマット（ショート動画、ストーリーズ、カルーセル）を調整します。

• • ターゲット層の心に本当に響く、現地のインフルエンサーと提携します。

ステップ6：現地語によるカスタマーサポート

現地語でサポートを提供し、現地のサービス規範（営業時間、言葉遣い、問題解決のスタイル）に合わせた（サービスへの）期待値を設定します。これはコンバージョンとレビューを守ることにつながります。

第四の柱：パートナーシップと顧客維持

早期の関心を持続的な成長へと転換させましょう。パートナーシップを活用して現地の信頼を迅速に獲得し、その後は、各市場に合わせた紹介（リファラル）およびロイヤルティの仕組みによって、リピート行動を確実なものにします（定着させます）。

フェーズ1：マーケットプレイスと現地のデジタルエコシステム

これが重要な理由： マーケットプレイスや現地のパートナーは、初日からリーチ（認知度）を拡大し、信頼性を高めてくれます。これらは慎重に選びましょう。

• • 出品する前に、マーケットプレイスを調査してください。Amazon、Shopee、Tmallなどについて、手数料、出品者要件、オーディエンスの適合性を把握し、自社の製品とターゲットバイヤーに合致するプラットフォームだけを選びましょう。

• • 初日からオペレーションを同期させます。AfterShipのようなツールを使用してマーケットプレイスとShopifyを自動連携させ、注文、追跡、通知の整合性を保ちます。

• • 現地の製造パートナーを検討しましょう。標準化されたSKUや大量生産のSKUの場合、現地生産によって、配送コストや輸入コストを削減し、納期を短縮し、製品を現地の嗜好に合わせることができ、さらには市場へのコミットメントを示すことにも繋がります。

フェーズ2：ローカルの（現地の）声を増幅させる

これが重要な理由： 人は、自分が信頼する人から商品を購入します。現地のクリエイターや満足度の高い顧客は、あなたの信頼の原動力（エンジン）となるのです。

• • 単なるフォロワー数ではなく、（ブランドとの）適合性でクリエイターを選びましょう。ほとんどの市場において、マイクロインフルエンサーは、より信頼性が高いと感じられ、より高いエンゲージメントとコンバージョンを促進します。文化的、あるいはブランドとの適合性を優先しましょう。

• • アフィリエイトプログラムと紹介（リファラル）プログラムを迅速に立ち上げます。クリエイターや顧客が（あなたを）積極的に宣伝（プロモート）してくれるよう、明確で魅力的な報酬（リワード）を設定します。アフィリエイトを戦略的パートナーとして扱い、リソース（資料など）の提供や定期的な連絡（チェックイン）を通じて関係を育成します。

• • ツール。シンプルなツール構成（スタック）で開始しましょう。例えば、アフィリエイト管理にUppromoteを使用すれば、リンクの発行、パフォーマンスの追跡、報酬の支払いを確実に行うことができます。

フェーズ3：現地のモチベーションに合わせたロイヤルティ

これが重要な理由： 新規顧客の獲得は「最初」の注文をもたらします。ロイヤルティは、その後の「10回」の注文を積み重ねていくのです。

• • 「ここで（この市場で）何がモチベーションとなるか」に合わせて設計します。この市場で最も重視されるのが、限定アクセス、パーソナライズされたギフト、あるいは特別な体験のどれなのかを判断し、それをリワード（特典）に反映させます。

• • 開始するための3つのシンプルなフォーマット：
    
    • • ポイントシステム： ローカライズされた特典（リワード）の獲得 ・交換.
        VIPランク： 優良顧客向けの、ステータスと段階的にアップする特典。
    • • 紹介（リファラル）： 友人を紹介してくれたロイヤル顧客にリワード（報酬）を提供し、推奨者（アドボケイト）を（新規顧客の）獲得チャネルに変えます。

BON Loyalty の日本のクライアントの1社は、ポイントベースのメンバーシッププログラムを導入した結果、8ヶ月以内にアクティブ顧客数が34倍、月間収益が4倍に増加し、収益の19%がロイヤルティプログラム経由となりました。

第五の柱：物流、決済、コンプライアンス

チェックアウトから配送までを、透明性が高く信頼できるものにしましょう。明確なフルフィルメント（物流）プランを選び、誠実な価格を表示し、（現地で）馴染みのある支払い方法を提供し、そしてコンプライアンスを、付け焼き刃の対応（緊急対応）ではなく日常業務として扱いましょう。

物流管理

ステップ1：フルフィルメントモデルを選ぶ

これらのうち1つを選んでください（後で変更・発展させることも可能です）：

• • 発送元から出荷（迅速に開始でき、オペレーションが最もシンプル）

• • 市場に近い3PL（サードパーティ・ロジスティクス）を利用（より迅速な配送、利益率の確保）

• • ハイブリッド型（売れ筋SKUは市場に近い場所から、ロングテール商品は発送元から） 信頼できる現地のプロバイダーと提携することで、スピードが向上し、ユニットエコノミクス（採算性）も改善されます。

ステップ2：市場別配送オプションの設定（DDP vs DDU）

• • EUや北米のような価格透明性の高い市場向けのDDP（仕向地持ち込み関税払い済み）

• • 価格を重視する市場（東南アジアの一部など）向けのDDU（関税未払い渡し）

• • ハイブリッド：適切な場合は、購入者がチェックアウト時に選択できるようにします。
    この内容は、ポリシーおよび商品ページに明確に記載してください。

ステップ3：ラベル（送り状）と税関書類の自動化

配送ラベル、HSコード、商用インボイスを自動作成しましょう。エラーは税関での遅延や顧客体験（CX）の低下につながります。役立つツール： Ship&Co（海外発送）、Logiless（日本国内）。

ステップ4：返品とリバースロジスティクス（物流）の計画（カテゴリー別）

商品価値と想定返品率に適した返品モデルを採用します：

• • 高額商品： プリペイドラベル（送料支払い済みラベル） + 追跡付き返品

• • ファッション： 現地で回収 + 週次での集荷・取りまとめ

• • 低価格商品： CSAT（顧客満足度） を守るための、 選択的な「返送不要」ポリシー
    ルール（ポリシー）を文書化し、その要約版をサイトに掲載します。

決済：信頼と完了率の最大化

• • 現地の支払い方法を提供する
    各市場で主要なウォレット決済や銀行振込を導入しましょう。価格が不明瞭だったり、決済の選択肢が不足していると、カゴ落ち（カート放棄）の原因となります。 主要なウォレットや銀行振込 各市場において。価格が不明瞭だったり、選択肢が不足していると、カゴ落ち（カート放棄）の原因となります（スライドで指摘）。

• • 最初から最後まで一貫して現地通貨を表示し、信頼できる決済方法を優先させ、返金は迅速かつ透明性の高いものにします。「隠れたコストなし」の価格表示を用い、最終的な合計金額を事前に開示してください。

コンプライアンス：プロセスに組み込む

定期的なコンプライアンス業務を実行する

• • 事前調査：参入前にカテゴリー規制を把握する

• • エキスパートネットワーク：現地の法律/税務アドバイザーと連携する

• • 継続的なモニタリング：市場ごとの規制変更を追跡する
    これを一度文書化し、ローンチ（展開）ごとに再利用します。

税務コンプライアンスの詳細
HSコードの正確性、原産地証明書、および各国でのVAT/GST登録を管理します。 HSコードの精度, 原産地証明書〜や、 VAT / GST の登録 国ごとに。[製品名]のようなソリューション Global-e のようなソリューションを利用すると、このプロセスの一部を効率化できます。

国際的な成長のためのAIアクセラレータ

AIを活用して、文化的なニュアンスを損なうことなく、リサーチ、コピー作成、クリエイティブ、品質保証（QA）を迅速化しましょう。ただし、感性やコンプライアンスについては、人間が関与し続けるようにしてください。より多く展開し、より速く学びましょう。

AI「アセット・ファクトリー」のセットアップ

ステップ1：アシスタントの設定

• • トーン：自信があり、協力的で、平易な言葉を使用し、誇張（宣伝文句）を避ける。

• • ガードレール（制約）：根拠のない主張はしない。不確実な場合は、現地の注意書き（特記事項）に準拠する。

• • 出力ルール：短い段落、読みやすい箇条書き、内容を表す小見出し。

ステップ2：コアプロンプト（コピー＆ペーストしやすいもの）を作成する

• • LP（ランディングページ）セクションのプロンプト：「[SKU] の、[市場] 向けヒーローセクションと3つのメリットブロックを、[ペルソナX] に合わせて作成してください。[レビュー/受賞歴] からの証拠を使用し、[禁止されている主張] は避けてください。」

• • 広告セットのプロンプト：「[チャネル] 向けのフック（導入部）3つ、メリット（利点）3つ、CTA（行動喚起）3つを生成してください。現地の以下のフレーズを反映させてください：[検索/ソーシャルからの引用10件]」

• • Eメールのプロンプト：「[市場] 向けの3通のEメールフロー（ウェルカム、ブランドストーリー、オファー）を、[現地の] トーンで下書きしてください。ローカライズされたお客様の声を1つ含めてください。」

ステップ3：リサーチとコンテンツを連携させる
アシスタントにマーケットブリーフ（主な不満/フレーズ）、日本対現地のマトリックス、およびコンプライアンスに関するメモを入力し、出力に反映させる why you localized.

ステップ4：簡易的な品質保証（QA）評価基準を導入する

• • 適合性：現地の悩みやメリットに言及しているか？

• • 話し方（声）：現地の人が、そのように言うだろうか？

• • 証拠：目に見える証拠（レビュー、認証、原産地）があるか？

• • リスク： 懸念のある主張や、開示されていない情報はないか？
    ステップ5：「市場別A/Bテスト」を大規模に実行する

• • AIを活用し、見出し、画像、オファーについて、管理されたバリエーション（一度に1つの要素のみを変更）を生成します。 管理されたバリエーション ヘッドライン、画像、オファー（一度に1要素ずつ変更）
    勝者となった（効果の高かった）切り口が、プロンプト/コンテキストライブラリにフィードバックされるように、ラーニングログを継続して記録してください。 Learning Log 学習ログ：成功した切り口（アングル）を、プロンプト／コンテキストライブラリに反映させるため。

Shopify Sidekickを活用する

Shopify Sidekickは、Shopifyに組み込まれたAIコマースアシスタントです。管理画面内で機能し、ストアのデータとShopifyのプラットフォームの知識（Shopify Magic経由）を活用して、質問に答えたり、インサイトを提供したり、コンテンツを生成したり、さらにはチャットインターフェースを通じてテーマや設定の変更を支援したりすることができます。

Sidekickに依頼すれば、主要なフローの監査、UX上の問題点の指摘、そして商品ページやEメール用の現地のトーンのコピーの作成が可能です。また、「リピート顧客率による売上上位商品を表示」や「過去30日間の返金に関するShopifyQLクエリを作成」といった、迅速なパフォーマンスの読み取りや、目標に合わせたA/Bテストのアイデアの提案にも利用できます。 

Sidekickを、コンプライアンスとブランドボイスに関する独自のチェックリストと組み合わせて使用することで、AIのスピードが正確さを上回ることを防ぎます。

グローバル展開を目指す日本のShopifyブランド向け推奨ツール

市場調査とターゲティングのためのアプリ

• • Shopifyアナリティクス（国別トラフィックおよび購入意図の確認用）

• • Google Trends（グーグルトレンド）およびTikTok Creative Center（ティックトック クリエイティブセンター）（実際の表現や需要シグナルの確認用）

• • SimilarWeb（競合のトラフィックソースとギャップ分析用）

第二の柱：製品、パッケージング、ブランドのローカライゼーション

• • Avis：商品オプション＆バリアント のようなアプリを活用し、オペレーションを破綻させることなく、追加されたバリエーションを管理します。
  • PageFly コード不要で、ページ作成やストアのカスタマイズが可能

パートナーシップと顧客維持のためのアプリ

• • Uppromote アフィリエイトプログラムを迅速に立ち上げ、追跡するために。

• • BON Loyalty ロイヤルティプログラムを設定し、顧客維持（リテンション）を高めるために。

物流、決済、コンプライアンス

• • AfterShip マーケットプレイスの注文と追跡をShopifyと連携するために。

• • Ship&Coは グローバルな送り状作成と税関書類の自動化のために。

• • Logiless 日本国内のオペレーションのために。

• • Global-e 税金/VATおよび越境ECの設定を効率化するために。

購入意図から国際的な牽引力（トラクション）へ

グローバル展開のために、大がかりなブランド変更や複雑なシステム再構築は必要ありません。必要なのは、明確な手順、各ステップでの小さな検証、そしてコンバージョンを促進するものだけを出荷するという規律です。 

「ものづくり」レベルの品質と「おもてなし」レベルの気配りによって、日本のブランドは海外で成功するための独自のポジションを確立しています。ローカライズされた1つのページ、1社のパートナー、1件の出荷を積み重ねていきましょう。

「5つの柱」に従えば、証拠に基づいて市場を選び、現地になじむように製品とストーリーを適応させ、パートナーシップとロイヤルティを通じて信頼を獲得できます。各プロセスをシンプルに保ち、意思決定を文書化し、AIと適切なShopifyアプリを活用することで、文化的なニュアンスを失うことなく、実行サイクルを加速させましょう。